中南米の潤滑油市場は、予測期間中に年平均成長率約2％で成長すると予想されています。高性能潤滑油の需要増加、建設・発電産業からの需要拡大が市場を牽引しています。一方、電気自動車やハイブリッド車の普及、潤滑油の寿命延長、厳しい環境規制、COVID-19の発生による不利な条件が市場成長の妨げになっています。

- 中南米の潤滑油市場は、建設業や発電業を含む様々なエンドユーザー産業における幅広い用途により、予測期間中に成長すると予想されます。

- 中南米では、ブラジルが潤滑油の消費量が最も多く、市場を支配すると予想されています。

主な市場動向

エンジンオイルセグメントが市場を支配する

- エンジンオイルは、エンジンの円滑な運転、燃料排出量の削減、エンジン性能の向上に欠かせないもので、一般的に75～90％の基油と10～25％の添加剤で構成されています。

- エンジンオイルは、主にエンジン内部の摩耗軽減、腐食防止、スムーズな動作などの用途で使用されます。エンジンオイルは、可動部品の間に薄い膜を作り、熱の伝達を促進し、部品が接触している間の緊張を緩和することで機能します。

- エンジンオイルの消費量は、全セグメント中、軽自動車セグメントが最も多くなっています。技術的な向上と燃費に関する政府からの要求により、自動車メーカーはより軽量で公差の厳しい自動車を製造しています（これにより、自動車の耐久性が向上します）。

- 高燃費エンジンオイルは、オイル漏れの防止やオイル消費量の低減に役立つ特性を持っているため、最近需要が高まっています。

- 国際自動車工業連合会（OICA）によると、ブラジルとアルゼンチンでは、小型商用車だけで561,77台が生産されており、エンジンの摩耗や損傷を減らすためにエンジンオイルを使用することは重要な役割を担っている。

- しかし、中南米の主要地域では、COVID-19の発生やその他の要因もあり、自動車の製造・販売が減少している。この2019年中の自動車販売の減少は、さらにエンジンオイルの需要に影響を及ぼすと予想されます。

- したがって、摩耗やタイヤを減らすために自動車でエンジンオイルのアプリケーションが増加していることに起因して、予測期間中に需要が増加すると予想されます。

ブラジルが市場を支配する

- 中南米地域の潤滑油市場は、建設、自動車、自動車部品などの最終用途産業からの需要の増加により、予測期間中、ブラジルが支配的な地位を占めると予想されます。

- タービンは、エネルギー分野において、発電のために重要な役割を担っています。発電の際、タービンから大量の熱が放出されます。一般に、タービン以外の発電分野で使用される主な部品には、ポンプ、ベアリング、ファン、コンプレッサー、ギア、油圧システムなどがあり、これらは激しい摩耗や疲労にさらされている。この分野では、潤滑を目的としたギアオイルやタービンオイルが広く使用されています。

- 2019年、ブラジルは7,246ギガワット（GW）の発電設備容量を追加し、合計170,071GWで1年を締めくくりましたが、そのうち75％以上は再生可能エネルギー（水力、風力、太陽光）で、潤滑油の塗布が重要な役割を担っています。

- 建設分野では、熱、汚れ、湿気など非常に過酷な使用条件にさらされる建設機械の早期故障や性能低下を防ぐために、潤滑油が使用されています。

- 潤滑剤は、ベアリングの故障、エンジンオイルの寿命の短さ、ディーゼル燃料の耐水性の低下、ケーブル、ロープ、ドラッグラインの錆びなどから建設機械を保護するために、さまざまな機能を発揮します。

- 自動車産業は、この地域における潤滑油の最大消費者の1つです。2019年には 自動車の総生産台数は、2018年の28,81,018台から2019年の29,44,988台へと2.2％増加しました。この生産台数の増加は、自動車における潤滑油の使用量を増加させており、それによってこの地域で調査された市場を成長させています。

- 前述の要因は、政府の支援と相まって、予測期間中のブラジル地域の潤滑油市場の需要増に寄与しています。

競合他社の状況

中南米の潤滑油市場は断片的であり、各社が占めるシェアはわずかである。少数の企業には、Chevron Corporation、Exxon Mobil Corporation、BP p.l.c、Valvoline Inc.、およびTotalが含まれます。

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